Software Design PlusシリーズのVRエンジニア養成読本が面白そうなので購入して読んでみました。
(From http://gihyo.jp/book/2017/978-4-7741-8894-2)
Gihyo Digital Publishingにて、EPUB, PDF同梱版が2180円で売られており、ここからダウンロードできます。
Amazonでも売っていますが、Amazonで売っているのはちょっと高いのとKindleでしか読めないようです。値段は、VR関連書籍としては安い部類かと思います。
内容は、オムニバス形式で各章の担当著者がそれぞれ記事を書いています
目次は技術評論社のホームページに記載されてる通り、
- ~VR のしくみと可能性を正しく理解~ 最新ハードで学ぶVR の今とこれから
- ~Unityで作る~ 入門! VR アプリ開発
- ~「没入感」を生み出すコンセプト開発と空間設計~ VRアプリデザイン実践入門
- ~PCやスマホで手軽に体験できる~360度動画入門
- ~複合現実の世界へようこそ~ HoloLens 入門
- ~3Dプリンター&ジェネラティブアート~ VRで広がる空間技術
のようになっています。
5,6はVR関係無くていらないな...笑と思う一方、1~4はかなり充実しているように思いました。
各章についての感想を以下で述べます。
1. 最新ハードで学ぶVRの今とこれから
VRヘッドセットの仕組みから始まり、製品の分類、よりプレゼンスを出すための仕組みなど、近年の動向を踏まえた多岐にわたる説明がなされていて、読み応えがありました。
ネットを調べていてもわかることが多い印象でしたが、体系的にまとまっており読む価値はあるのかなと思います。
これまでVRについて全く知らない人もこの章を読めば大体の流れは掴めるようになります。
2. 入門! VR アプリ開発
Google Cardboard, Oculus Riftにおける入門アプリの作成方法を図やソースコードを交えてわかりやすく解説してあります。
Google Cardboardでは壁打ちゲーム、Oculus Riftではユニティちゃんが動き回るアプリの作り方が紹介されています。
加えて、頭の動きを使ったインタラクティブなアプリ開発の作り方も書いてあります。
スマホVRであれば、人間が物理的にインタラクションできる情報が頭の動きだけなので、マス向けアプリを作る際かなり有用になる資料なのかなと思います。
3. VRアプリデザイン実践入門
この章が一番秀逸だなと思ったのですが、まず実際の至近距離接近ガールVRというVRアプリを題材にしながら、どのようにアプリを設計していくかが書かれています。
全体のコンセプトから始まり、ビジュアルコンセプト、オーディオコンセプト、そしてそれを実際にどうやって実現するかに至るまで細かく書かれています。
ここまで細かくVRゲームのデザインについて言及し、実際のケースまで紹介してくれるものは初めてです。
次に、VRアプリの空間デザインとして、道に迷いにくい空間設計について認知科学っぽい観点から述べられています。
こちらも、ルームスケールVRアプリを作る際に大いに役に立つかと思います。
4. 360度動画入門
こちらは360度動画の概要が紹介されています。入門向けといった感じであんまり詳しいことは述べられていませんが、初学者には役に立ちそうです。
5,6については割愛します。
まとめ
まとめると、VRの基礎から包括的に説明しており、簡易的なVRアプリの作りかた、VRアプリのデザインの仕方までわかりやすく述べられています。
VR初学者はもとより、Unityも触ったことがない方や、簡単なVRアプリは作ったことがあるけど市販アプリのようなものをどう作れば良いのかわからない方におすすめです。
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